コピーしたデッキで勝率5割を超えた。おめでとう。これでSTEP 01は卒業だ。
※STEP01の記事はこちらから
しかし、ここからが本当の修行になる。STEP 02は、コピーしたそのデッキの1枚1枚を、自分の言葉で説明できるようになること。これができないと、STEP 03(カスタマイズ)には決して進めない。
「なんとなく4枚」では勝てない
たとえば、Nのゾロアークexデッキを完コピしてきたとする。レシピを見ると、Nのポイントアップが3枚採用されている。
ここで自問してほしい。なぜ3枚なのか?4枚ではなく、2枚でもなく、3枚なのはなぜか?
答えに詰まったなら、それはまだ「使っているデッキ」ではあるが、「理解しているデッキ」ではない。
このカードの本当の役割、初手で必要な確率、中盤以降に必要になる頻度、他のカードとのバランス。これらをすべて考慮した上で「3枚」という結論に至っている。その理由を言語化できないと、対戦中の「使うか温存するか」の判断もブレる。
言語化の3段階チェック
各カードの採用理由を言語化できているかは、次の3つの質問で確かめられる。
①このカードの役割は何か
最も基本的な問い。「ドロー」「サーチ」「火力」「妨害」といった大分類だけでなく、具体的に「序盤の手札を整える」「終盤のサイドレースで一撃で倒す」など、デッキ内での具体的な位置づけまで答えられるか。
②なぜこの枚数なのか
これが最も難しい。1枚多ければ何が変わるか、1枚少なければ何が困るかを説明できるか。たとえば「リーリエの決心は4枚採用されている。なぜなら序盤に確実に1枚は引き込みたく、4枚あれば初手で引ける確率が約40%になるから」というレベルの説明ができるのが理想。
③他のカードで代替できないか
似た役割のカードが存在する場合、なぜそちらではなくこのカードなのか。例えばボスの指令とアンズの秘技は両方とも「相手のベンチポケモンをバトル場に引きずり出す」効果を持つが、使い分けには明確な理由がある。
この3つに答えられないカードがあれば、それは自分のデッキになっていないカードだ。
「型違い」を比較してみる
理解を深める最も効果的な方法は、同じデッキの「型違い」を比較することだ。
たとえばドラパルトexデッキには、「ヨノワール型」「ピジョット型」「ガチグマアカツキ型」など、複数の型が存在する。Nのゾロアークexにも、「マシマシラ採用型」「モモワロウex採用型」「イベルタル採用型」と、サブアタッカーやコンボパーツの違いで型が分かれる。
これらの型違いを並べて見比べると、「コアになるカード」と「型を決めるカード」が浮かび上がる。コアカードは型を問わず採用される(Nのゾロアークex 4枚、Nのゾロア 4枚、なかよしポフィン 4枚など)。型を決めるカードは、サブアタッカーの選択と、それに伴う1〜3枚のスロット調整に集中している。
型違いを並べて比較するだけで、「変えていい枠」と「変えてはいけない枠」が見えてくる。これは、STEP 03のカスタマイズで最も重要な視点になる。
採用カードの「採用ノート」を書いてみる
理解を加速させるための具体的なワークがある。コピーしたデッキの全60枚について、1枚ずつ採用理由をメモに書き出す作業だ。
最初は驚くほど時間がかかる。1枚あたり10分以上悩む場合もある。「これ、なんでこの枚数なんだ?」と何度も止まる。それでいい。止まったところが、自分の理解が足りていない場所だ。
書き出してみると、自分が「実は分かっていなかった」カードが必ず見つかる。たとえば「アンフェアスタンプって何が強いんだろう?」「夜のタンカ、2枚で足りるのか?」など。それを一つずつ、レシピ解説記事や強いプレイヤーの配信で確認していく。
このノート作りを終えると、デッキの解像度が一段階上がる。それまで「ぼんやり強いデッキ」だったものが、「意図が積み重なった60枚」として見えてくる。
プレイの言語化も同時に
カードの採用理由だけでなく、プレイの言語化も並行して進めたい。
具体的には、対戦が終わった後に「今のマッチの分岐点はどこだったか」を振り返る習慣をつける。サイドを取り切ったあのターン、ボスの指令を切ったあの瞬間、それぞれに「なぜそうしたか」を説明できるか。
振り返りで言葉に詰まる場面が出てくる。それが、自分のプレイ理解の限界線だ。そこから、強いプレイヤーの実況解説を見て「自分ならこうしてしまうけど、この人はこうしている。その差は何か」を考える。
理解段階の卒業条件
STEP 02の卒業条件は、次の2つを両方クリアしたとき。
第一に、コピーしたデッキの全カードについて、採用理由を口頭で説明できること。誰かにデッキレシピを見せながら「このカードはこういう役割で、この枚数の根拠は……」と15分くらい話せるレベルだ。
第二に、型違いのレシピを比較して、その違いの理由を説明できること。「この型はこういう環境を想定している」「こちらの型はこういうマッチアップを切ってでも、別のマッチを取りに行っている」という見立てができるようになる。
ここまで来ると、デッキは「借り物」から「自分のもの」に変わる。
まとめ
- コピーで5割勝てるようになったら、次は60枚を全て言語化する
- カード1枚ごとに「役割」「枚数」「代替不可の理由」の3つを答えられるか
- 型違いの比較は、コアカードと可変枠を見極める最良の方法
- 採用ノートを書き出すと、自分の理解の穴が明確になる
- 全カードの採用理由を15分語れるようになったらSTEP 03へ
「言語化できる」というのは、思考の解像度が上がっているという証明だ。STEP 03(カスタマイズ)で、自分なりの調整を入れるとき、この言語化の土台がなければ、ただの「思いつきの改変」になってしまう。
次の記事では、ついに自分の色をデッキに乗せる、カスタマイズのSTEPに踏み込む。

